ビブリア古書堂の事件手帖

D介

2012年04月26日 17:37

2012年の本屋大賞にノミネートされた、 三上延:著作「ビブリア古書堂の事件手帖」を読了(既刊1~2巻とも。尚、前回の轍を踏まぬようまとめて買ったのは云うまでもない)。4月10日に発表された本屋大賞では8位ということで、大賞とはなりませんでしたが、初めてノミネートされたラノベということで話題にもなっていました。

そもそもラノベって、昔で云うところのジュブナイル(もしくはヤングアダルト)と思うんだけど、現在は萌え要素(挿絵/カバーイラストを含む)があるというところが主のような感じな気がするので、その点からするとその要素は表紙ぐらいにしかない(そもそも扉以外に挿絵はない)ので、ラノベとは言い切れない?。けど、レーベルはメディアワークス文庫だからねぇ・・・。
実際、内容も偏った萌え度はなく(一応、そう思っておきたい)、軽めなのでさらっと読みやすい(ネタがなんとなく途中で判ってしまう回があったけど)。ま、中間、灰色、境界線。そんなところなので、特に気にしなければお手軽に楽しめます。
「ビブリア古書堂の事件手帖」は北鎌倉の古書店を舞台に本を題材としたライトミステリーなので、本編の内容については、謎解きに触れてしまうと面白くないのでスルーしておくけれど、個人的にヒロインの古書店主・栞子が“本の虫”であるところに評価が高い点をつけてみた(笑)。

本の虫。詰まるところ“本好き”という趣味を越え、本を愛してしまった人のことで、本を意味する“ビブロス”と、熱中・狂気を意味する“マニア”を合わせた造語である“ビブリオマニア”と、読み変えて使いたかったところなのだけど、この日本語訳は「愛書狂」とか「書痴」、「書物蒐集狂」とされているので、どことなく違う感じ・・・。
一方で、“ビブロフィリア”という表現があり、こちらは「本を読むという行為が好きな者であり、初版本や特殊な装丁の本といった稀覯本を蒐集する愛書家」とされているので、こちらに近い気もするのだけれど、栞子は蒐集家ではない(古書店業なので仕入はするだろうけど)。
尚、“ビブロフィリア”の解説に出てくる“ビブリオマニア”は、書籍を蒐集、本を狩る者という精神疾患の一種であるとされているあたりに、若干の慄きを隠せないけれど、個人的には“ビブリオマニア”と云う語感は好きなので、それを使いたい気もする。
けど、読子・リードマン(R.O.Dのヒロインして、ビブリオマニアの紙使い)ではないので、これは栞子のイメージとは合っていない気もする。じゃあ、攻め方を変えて、活字中毒者?それもどこか違う・・・とすると、ビブロフィリアが近いのか・・・。結局、やはりそこは本の虫なのかなぁ。

ま、本編に必要のないくだりをぐだぐだと書き連ねてみたけど、思い返すとその昔はありとあらゆる物を読んでいた。いわば活字中毒だったのだと思う。特に電車の中などは酷く、本や雑誌、新聞などはともかく、手持ちの読むものがなくなると電車の吊り広告や他人様の新聞や、窓の外のアドボードなど、文字と云うものを片っ端から読んでいた。
そうそう、レシートを読んでいて、同僚に指摘されたりしたこともあったし、昔、香港に行った時は見渡す限りの漢字の看板に、意味も判らずに“街”を読みまくっていたこともありました(爆)。
まぁ、さすがに電話帳を読むにまでは至らなかったけど(近いとこまでは行ってた・・・)、毎月出る大型の時刻表を“読む”楽しみは忘れられず、いまでもたまに立ち読みをしています。
結局、「ビブリア古書堂の事件手帖」とはなんも関係ないトコに行き着いてしまった。。。ま、いいか。あ、たぶん、こんだけ話題になったから、「ビブリア古書堂の事件手帖」は映像化(メディアミックス)されんじゃないかなぁ・・・動く栞子さん、ちょっと見たいなぁ(莫迦)。


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